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青森県黒石市 「ひと手間を惜しまない」自動車整備工場

整備工場の日常や自動車整備のあれこれを綴っています…

ヴェルファイア 複数の警告灯点灯 (エレクトロタップの罠)

新年あけましておめでとうございます!

令和初のお正月、みなさまはどのようにお過ごしでしょうか?

私は昨年末から溜めこんでいた伝票処理に追われておりました。 長期休暇時には毎回そうです。(笑)

ですから、今年の目標は伝票処理も日々完結です!


トヨタ・ヴェルファイア (GGH25W) が複数の警告灯が点灯するとのことで入庫です。


DSC_0022_14.jpg


実はこの車両は他工場様経由での入庫だったのですが、お客様からのご依頼としては

 1.メータパネル内に複数の警告灯が点灯している
 2.メーターパネルに「 P ・ R ・ N ・ D 」の表示が出なくなった
 3.バックカメラが映ったり映らなかったりだったのが完全に映らなくなってしまった

とのことです。 時系列としては3のバックカメラの不調が一番先だったみたいです。

まずはシステムチェックを行います。


IMG_20191213_0001_01.jpg


予想通りと言うか、当たり前の事ですが複数のユニットにフォルトコードが記憶されていました。

フォルトコードの内容を見ると、通信系のトラブルが多いみたいです。

作業がつまっていたので、エンジンをかけたまま放置していたら・・・ バッテリーが上がってしまいました。 

ノーチャージ (充電不良) です。

通信系のトラブルが多いことから、ノーチャージを直すことでトラブルが改善する可能性もあります。

まずはノーチャージを直さないと先には進めないことをお客様に説明していただき、了承をいただきます。

アクティブテストでオルタネーターを強制発電させ、充電系統を検査していきます。


Screenshot_2019-12-09-13-24-17.jpg


発電要求電圧14.7Vに対して、バッテリー電圧が11.9Vなのでチャージしていません。

オルタネーター不良です・・・ とはなりません(笑)

配線のトラブルなどでスタンバイができていない可能性があります。 また、オルタネーターの駆動不良も考えられます。

ベルトを点検し、配線図を基に電源の確認をしていきます。

オルタネーターのIG端子 (赤丸部) にイグニッションONで電源がきていません。

これではICレギュレーターが働かないために発電できません。 

調べていくと上流部にあるGAUGE NO2 (青丸部)の10Aのヒューズが切れていました。

ただ、10Aのヒューズは赤色なのですが、実際は15Aの青色のヒューズが付いていたのは気になります。


es026_03.jpg


ヒューズを交換してオルタネーターのIG端子に電源がきてることを確認し、再度強制発電させますがやはりチャージしません。

これでオルタネーターの不良が決定なので交換します。

オルタネーター交換後は発電要求電圧14.7Vに対して、バッテリー電圧が14.4Vとなり充電電流もプラス値になりました。


Screenshot_2019-12-12-10-28-13.jpg


症状が改善したかチェックを行うと、メーターパネル内の警告灯も全て消え「 P 」の表示もあります。

残すはバックカメラの不具合だと、意気揚々とバックにシフトした瞬間にシフト表示が消えてしまいました。

どうやらバック系統にも不具合があるみたいです。

バック系統の配線図を調べていくと、先程のGAUGE NO2のヒューズからバックランプに電源が供給されています。

ヒューズを点検するとやはり切れています。

ヒューズの電流値を検査すると、「 Rレンジ 」以外だと1A以下なのですが、「 Rレンジ 」にすると約20A流れます。


CIMG4751.jpg


これじゃヒューズは切れちゃいますね!

GAUGE NO2のヒューズ負荷を調べても、どうしてもバックランプ系統が怪しいです。

バックランプ系統に絞って原因を探していくと、ピン!ときました。


CIMG4758.jpg


そうです、社外ナビです。 

ナビはバック時にモニターの映像をバックカメラの映像に切り替えるためにバック信号を取り込んでいます。

このバック信号線の接続時にエレクトロタップを使用したため、接触不良を起こして過電流を流してしまったようです。

ナビに接続されているエレクトロタップを全て取り外し、ハンダ付けにて結線していきます。

ちなみに弊社でナビを取り付ける際はエレクトロタップは絶対に使用しません。

確かにエレクトロタップはハンダ付けに比べてお手軽ですが、この様に作業品質の保証が難しいからです。

修理後は「 Rレンジ 」シフト時にも約2.5Aと容量以下となり、ヒューズが切れることもなくなりました。

確認検査を終え、問題がないことを確認して作業完了です。

あくまでも推測なのですが、時間経過とともに症状が変化 (悪化) していることから接触不良は常時ではなかったのかなと。

過電流が流れてヒューズが切れてしまったら、症状は固定になってしまいますから。 (弊社入庫時はこの状態)

接触不良により異常電流が流れたり正常電流が流れたりを繰り返していたんじゃないでしょうか?

と言うことは、オルタネーター (ICレギュレータ-) を壊したのもこれが原因だと思われます。

電気は流れたり流れなかったりだとサージが発生しますから、ICを壊すのは簡単だと思います。


たとえば「 車検 」や「 ナビ取り付け 」と言葉は同じですが、実際の作業内容は各社で違うのではないでしょうか?

作業料、技術料が安いことも魅力の一つだとは思いますが、それが全てだとは思いません。

今回のケースもナビ取り付けの不具合により、オルタネーターが壊れて多額の修理代金がかかったら本末転倒だと思います。

我々自動車業界も、提供する技術料を安さだけではなく適正価格にすることを考えなければならないのではないでしょうか?

勿論、その際は金額に見合ったクオリテイは不可欠ですが! あくまでも適正価格なので(笑)



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  1. 2020/01/03(金) 14:44:44|
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BMWミニ クラブマン チェーンガイド破損

雪が降らないぶん、今年の冬は生活面と仕事面ではかなり楽をさせてもらっています。

雪が降らないと雪国では困る方も多々いらっしゃると思いますが、生活する方は楽で良いですね。

そんな師走の慌しい中、今まで溜めこんでいた整備事例をアップしていきます!


エンジンから異音がして、エンジンストール後に再始動不可となったBMWミニ・クラブマン (R55) が入庫です。

まずはシステムチェックを行います。


IMG_20191127_0001_001.jpg


IMG_20191127_0002_01.jpg


DME (エンジンコントロールユニット) に複数個のフォルトコードが記憶されていました。

内容はインテークカムシャフトセンサ系統とノッキングです。

このフォルトコードの内容と異音がしたという症状、そしてBMWミニ (N14エンジン) と言うことは・・・

十中八九、タイミングチェーン系統のトラブルだと思います。

そんな訳でとりあえずヘッドカバーを外してみると、スライドレールがバラバラで影も形もありません!


CIMG4446.jpg


バルブタイミングを確認するためにSST (タイミングセットツール) を取り付けますが、位置が全く合いません。


CIMG4486.jpg


角度にして約20°近くズレています。 と言うことは、バルブクラッシュの可能性もあるので燃焼室の気密検査を行います。


No1.jpg


No2.jpg


上の画像がNo1シリンダー、下の画像がNo2シリンダーのものになりますが、No1シリンダーが気密漏れしています。

吸気 (スロットルバルブ) に逃げてきているようなので、どうやらインテークバルブの不良みたいです。

その他のNo3シリンダーとNo4シリンダーもNo2シリンダー同様で大丈夫な数値でした。

タイミングチェーンとチェーンガイドの交換であればシリンダーヘッドの脱着は不要なのですが、今回はヘッドの脱着が決定です。


CIMG4601.jpg


サクッとシリンダーヘッドを降ろします(笑) 文章にすると簡単そうですが、実際はかなりの周りの部品をバラしました!

外したタイミングチェーンとチェーンガイドがこちら↓


CIMG4604.jpg


みごとに粉砕されています。 破片を拾い集めるのにオイルパンとオイルポンプも外しました。

ステムシールからのオイル下がりの症状と痕跡があったので、バルブとステムシールも交換します。

バルブを擦り合わせて、ポートを清掃したらシリンダーヘッドのオーバーホールは完成です。

シリンダーヘッドをシリンダーブロックに載せ、新品のタイミングチェーンとチェーンガイドを組み付けます。


CIMG4735.jpg


あとは外したエンジン周りの部品を組み上げて完成です!

エンジンの調子が良いことを確認して、記憶されていた大量のフォルトコードを消去します。

走行テストを行い、不具合がないこと、再度フォルトコードが記憶されないことを確認し完成検査は終了です。


BMWミニのエンジンはタイミングチェーンやチェーンガイド (スライドレール) のトラブルが多い気がします。

エンジン始動時にガラガラ音がした時は、早めに検査をするのが得策かもしれませんね!

ガイドの破片でタイミングチェーンがコマ飛びを起こしてしまうと、こんな感じの大仕事になってしまいます。

エンジンオイルの管理が悪いとこんな風になると言われていますが、管理が悪くなくてもこんな風になることがあります。

BMWミニの持病みたいなものですかね? 気になる方は遠慮なくお問い合わせください!



  1. 2019/12/25(水) 15:53:50|
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ポルシェ カイエン ガソリン臭がする

津軽の里にも初雪が降り、冬の足音が聞こえてきました。

かと思うと、20度を超える日があったりで、冬本番を迎えるにあたって嫌な感じです(笑)

ブログの更新をする暇もなくバタバタと忙しい毎日を過ごしておりますが、今年も残すところあと一月です。 


ポルシェ カイエン (955) がガソリン臭がするとのことで入庫です。

ガソリンスタンドさんで冬タイヤに交換の際に言われたとのことでした。

早速車の周りを、鼻に神経を集中させて回ってみます。

左のリヤ付近から確かにガソリン臭がしていますが、タンク下部とかにそれらしい漏れの痕跡は見受けられません。

鼻には自信があったのですが、漏れの箇所の特定には至りませんでした(笑)

自信を持ってここだと言える箇所が見付からないので、感覚に頼らずに「 見える化 」を行います。

ちょっと脇道に逸れますが、「 見える化 」することの重要性は所属する「 メカトロクラブみちのく 」で学びました。

「 見える化 」することで、良否判定が感覚による判定ではなく、データによる裏付けのある判定となります。

また、データがあることでお客様にも納得していただきやすい、きちんとした説明ができるようになります。

さらに作業前後でのデータの比較も可能となります。 良いこと尽くめですね!

ということで、排気ガステスターの出番です。


CIMG4497.jpg


CIMG4493.jpg


左リヤタイヤハウス付近でガソリンの成分であるHCが検出されました。

あとは箇所を絞り込んできます。

どうやらガソリンタンクの上部からの漏れの様ですので、シートを上げてサービスホールを外していきます。


CIMG4508.jpg


こちらのフューエルフィルターフランジから漏れていました。


CIMG4516.jpg


こんな感じで漏れてきます。





カイエンのフューエルフィルターフランジからの燃料漏れは2018年3月にりコールが出ています。

残念ながら、このお客様の車は対象外でしたが・・・

原因がはっきりしたので、早速フューエルフィルターを交換します。


CIMG4541.jpg


交換後は前後のデータで変化あるかどうかを確認します。


CIMG4498.jpg


HCがきっちり下がっていますね。 漏れや分解したところを再確認して作業完了です。


私は我々整備士は、「 車のお医者さん 」だと思っています。 

なので、お客様に説明するための「 見える可 」は必要不可欠だと思います。

データを読んで、原因や不具合箇所をわかりやすく説明する。 お医者様なら当たり前に行ってることだと思います。

弊社はこれからもぶれずに、「 車のお医者さん 」を目指して日々頑張っていきます!



  1. 2019/11/26(火) 17:18:32|
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BMW E系コーディング

朝晩の寒さが身に沁みるようになってきました。 早いものでもう10月です!

今年もも残すところあと3ヶ月弱です。

おかげさまで毎日忙しい日々を送らさせていただいています。


最近弊社にお問い合わせやご依頼の多いのが「 コーディング作業 」です!

コーディングに馴染みのない方も多いかと思いますが、国産車で言うところの「 カスタマイズ 」みたいなものです。

弊社で多いのはやはりBMWのE系です。

その中でもデイライトのコーディングは特にご依頼の多い項目になっています。

イグニッションONでエンジェルリングがデイライトとして点灯します。


CIMG4090.jpg


こちらは別のE93です。


DSC_0021 (2)


デイライトとして常時点灯しますが、「 i‐Drive 」にスイッチを設置することも可能です!


DSC_0005_86.jpg


普通はこんな感じですが、i‐Driveのユニットをコーディングすると


DSC_0026.jpg


こんな感じでデイライトのON/OFFができるようになります。 これなら必要のない時はOFFにしたら大丈夫ですね。


まだコーディングのメイン車種はBMWのE系ですが、その他のメーカーや車種にも対応すべく奮闘中です!

青森県ではまだまだコーディングに対応する整備工場は少ないかと思います。

コーディングに興味のある方は是非お問い合わせしてください!



  1. 2019/10/07(月) 21:04:32|
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アルファード 4WD警告灯点灯

9月もいよいよ半ばとなってまいりました。

最近は過ごしやすくなってきましたが、9月で真夏日になったことなんてここ数年は無かったと思います。

あと2ヶ月もしたら雪の便りが聞こえてきそうです。 今年の冬はどんなになるのでしょうか?


トヨタ・アルファード (GGH25W) 4WD警告灯が点灯するとのことで入庫です。


DSC_0034_5.jpg


国産の汎用診断機だと「 4WDユニット 」と通信できないものが多いのですが、「 AUTEL MaxiSys 」は一味違います!

4WDユニットやパワースライドドアユニット、FASユニットなんかとも通信可能です。

早速フォルトコードを診てみると「 C1298 : リニアソレノイド異常 」が記憶されていました。

検出条件はリニアソレノイド (カップリング) の指示電流が「 0A 」または「 0.8A 」以上で1秒以上継続した時となっています。

早速実測値を診てみます。


Screenshot_2019-08-23-21-33-08-1.jpg


通常時は「 4WD AUTO 」になっていると、発進時 (グラフ赤線部) にカップリングを締結してリヤタイヤも駆動し4WDにします。

また、車速が上がってくるとカップリングの締結を緩めてFFになります。

今回のデータを診ると、どうもカップリングがうまく締結出来ずに4WDになっていないようです。

ユニットでの電流値検知方法がわからないのですが、ソレノイドの抵抗値は∞Ωで断線していました。

これでは4WDにならないですね!

新品部品が¥84,600と高価なことから、お客様と相談の上で今回はリビルト品でカップリングを交換します。

リビルト品のソレノイドの抵抗値は2.3Ωで基準値内でした。 (基準値は20℃で2.2~2.6Ω)


CIMG4047.jpg


ちなみにカップリングを外したらこんな感じになります。


CIMG4045.jpg


交換後に再度テスト走行でデータをとると、4WDとFFともに問題ないデータとなりました。


Screenshot_2019-09-05-13-46-36-1.jpg


これからの青森では4WDが効かないのは死活問題ですね(笑) 冬本番を前に修理できてなによりでした!


交換部品が高価になればなるほど、診断の重要性が増すと思います。

弊社では他社で行った診断に対してセカンドオピニオン的なことも行っております。

気になるお客様は一度問い合わせしてみてください!



  1. 2019/09/17(火) 20:29:13|
  2. 自動車整備
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まいどさまです

プロフィール

須藤ヂャイアント商会

Author:須藤ヂャイアント商会
Bosch Car Service
メカトロクラブみちのく
青森県黒石市の自動車整備工場です。


「ひと手間を惜しまない」ことをモットーに営業しています。


国家一級整備士・自動車整備技術コンサルタント在籍。
診断技術に自信ありです!
国産車から輸入車まで、幅広く対応しています。
輸入車は多数の整備実績があります。


リンクにある弊社ホームページも是非ご覧ください。


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