早いもので今年も今日で終わりですね。
今年も皆様にお世話になって無事に年を越せそうです。
ホント、皆様には感謝感謝です m(_ _)m
ただ、今は無事に年を越せそうですが、つい4,5日前までは今年最後の大ハマリで焦りまくりでした(笑)
何故かって言うと…
走行中に異音がしてエンジン停止後再始動が不可だったスズキ Kei
とりあえず基本診断をしてみると、2番と3番シリンダーの圧縮が低そう…
圧縮を測定すると 1番 12kg/c㎡ 2番 7kg/c㎡ 3番 7kg/c㎡ で間違いなく2発圧縮漏れ。
(基準値 12kg/c㎡ 限度値 9kg/c㎡)
圧縮抜けの原因はエンジンの分解が必要となるので、お客様にここまでの診断結果の報告をして、整備内容を相談。
時期も時期だし、良い感じの中古エンジンも見つかったので中古エンジンと交換することになった。
中古エンジンも入荷しいざ交換、この時12月も20日を過ぎ年内営業は残すところ1週間。


この時点で無事完成して納車となる予定だったのですが、工場からSOSが!!!!!
交換したエンジンが不調との事… 何か交換時の作業にミスが有ったのでは!?と思ったのですがそれは無いとのこと。
この時点でもう営業最終週に突入してました。今年中に終わるかなぁ…(汗)
エンジンデータを診てみると、どうやら燃焼しきれてない様子。
バキュームセンサの値は70~80kpaと大気圧に近く、噴射時間は7msと長い。
そして、それだけ噴射しているのにO2センサの値は0V付近でリーンに張り付いている。
また、マフラーからの白煙や4ガステスターの値も燃焼不良を裏付けしている気がする。
当社ではこんな時は理詰めで追って行くことにしている。
今手元にある情報を整理すると
①マニホールド負圧が大気圧に近い(小さい)
②プラグがかぶり気味になる
③噴射時間が長い
④O2センサがリーンに張り付く
⑤マフラーから白煙が出る
⑥ガステスター値の異様にHCとO2が高い
⑦パーツクリーナーを吸わせるとチョット調子が良くなり、データ値も正常になる
以上のことから、
①燃焼不良で燃え残った混合気がエキゾースト(O2センサ)に排出される
当然、未燃焼なので残留酸素濃度(O2)とガソリン成分(HC)が高く、O2センサはリーンに張り付く
O2センサがリーンなので、燃料を増量し燃料過多でプラグがかぶり調子もますます悪くなる
また、排気管でガソリン成分が燃焼するので白煙が出る
②完全燃焼できないので、燃焼速度が遅くマニホールド負圧が小さい
と推測し、燃え難い原因を探す。 この時点で残り2営業日、今夜も残業です(笑)
「整備後に不調になった時は手を掛けたところに原因があることが多い」
このことからコイルインデスビの点火系やインジェクターなどの燃料系を疑うも問題無し。
燃圧も測定済みで3kg/c㎡と問題無かったことから大ハマリの予感が (・・;)
また、F6Aで多いバルブクリアランスも微調整で済むくらいの狂いしかない。
圧縮・点火・燃料OK、燃焼不良の原因としてあとは何だろう!?
んっ、燃料OK!? ホントなのか? 燃圧やインジェクターはOKだったが、肝心のガソリン自体はどうだろう!?
でも、燃圧測定時にはじけたガソリンを見ても特に問題は無いと思ったが…
とりあえずガソリンを少し抜いてみる。
床に撒いて良品と比べてみると、少し広がり方がおかしい気がする…
「お前が犯人!?」とりあえずガソリンを抜いて交換してみる。
今までの苦労をあざ笑うかのようにエンジンは快調に運転をしている。
そして、データ値や排ガス値も正常となり、白煙も出なくなった。
んっ、なになに… 最初から不調の原因は燃料不良じゃないかって!?

上が載せ替え前、下が載せ替え後のクランキングデータですが、明らかに違います。
また、圧縮も載せ替え後は全て12kg/c㎡と良好な圧縮値になりました。
因果関係はイマイチわかりませんが、圧縮抜けと燃料不良の複数トラブルが原因でした。
なんとか今年中に納車することが出来て良かったと心底思いました。
来年は大ハマリが減るように、初詣にてお祈りしなくっちゃ(笑)
今年1年皆様には大変お世話になり、本当にありがとうございました。
来年も「ひと手間を惜しまない」ことをモットーに営業いたしますので、当社及び当ブログをよろしくお願いいたします。
来年は「目指せ週1更新」で頑張りたいと思います(笑)
また、来年はコンバージョンEVの製作もいたしますので、その辺りもアップしていきたいと思いますので期待してください。
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- 2013/12/31(火) 10:51:46|
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