ここ最近暑い日が続いております。 北国もいよいよ夏本番と言ったところでしょうか。
ただ、年をとってくると 「暑い」 と言うだけで疲れてしまいます(笑) ムチャができていた20代が懐かしい…
さて、カングー( KCK7J )のATの診断・修理です。
症状としては走行中にATの滑りやショックが出て、ATの警告灯が点灯するというものです。
実はカングーのATはシトロエン・プジョーグループと共同開発されています。
ミッション型式がルノーだとDPO、シトロエン・プジョーグループだとAL4となります。
実は、このATはカーメーカー問わずトラブルがかなり多いです。 ググっていただくとすぐわかるかと思います(笑)
事例としてはソレノイドバルブの不良が圧倒的に多いですが、検査もせずに交換するわけにもいきません。
警告灯が点灯するのでとりあえずはフォルトコードを呼び出してみます。
出てきたフォルトコードは 「0167」 ・オイルプレッシャーレギュレーション
基本的なATF量の点検などを行い、テスト走行へ…
何度かATが滑る症状が出つつ、途中で後ろから追突されたような大きいショックとともにAT警告灯が点灯!
3速固定になりました。 一度キーをOFFにしてリセットした後、テスト走行を再開します。
やっぱり大きなショックとともに警告灯が点灯します。
このATはバルブボディに8個のソレノイドが付いていて、各シフトごとにON/OFFして変速しています。

また、変速時に特定のソレノイドをON/OFFさせることでシフトショックを軽減しています。
録画したムービーを基に、一つずつ手書きでソレノイドの作動を追ってみました。
どうやら1速が Supply(以下S) ・ 3 ・ 4 、2速が S ・ 2 ・ 4 、3速が S 、4速が S ・ 1 ・ 2 のようです。
また、変速時に 5 ・ 6 を介入させてショックの低減などを行ってるようです。
ソレノイドの作動状況がわかれば、特定要素の問題なのか、全体に関する大元の問題なのかの切り分けです。
…つづく
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- 2016/07/14(木) 15:37:06|
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昨日(7月7日)は七夕でしたね。 彦星と織姫は年に一度の逢瀬を楽しめたのでしょうか?
人と人の 「縁」 と言うものは摩訶不思議なものであり、とても素晴らしいものだと思います。
思えば私もいろいろな人に出逢い、導かれ、成長させていただきました。
昨日の七夕の日に私の尊敬する師匠の一人、大阪のアサダ自動車商会の浅田さんのグループで新商品が発売になりました。
詳細はこちら →
TOPPA-αその際に整備業界の現状、整備のメニュー化、継続することの大切さなどなど、いろいろと電話でお話をさせていただきました。
私も、もっともっとお客様の期待に添えるように頑張らないといけないなと思った瞬間です。
なんかいつもとちょっと違った出だしになっちゃいましたね (〃ノωノ)
前置きが長くなってしまいましたが、変速ショックが出るレガシィ(BLE)です。
去年の9月にATの基本診断を行わさせていただいたお客様のレガシィが車検整備で入庫いたしました。
車検整備を滞りなく終えて、残すは依頼事項でもあるATFの交換作業です。
前回の基本診断時にも変速時にショックがあるとのお話をお聞きしており、今回ATFの交換作業と詳しい検査を行いました。
症状としては2速から3速のアップシフト時と、3速から2速のダウンシフト時に 「ガツン」 とショックが出るとのことです。
このレガシィは5速ATでモードが3種類( S ・ S♯ ・ I )とティプトロニックの手動変速モードがあります。
テスト走行を全てのモードにて行ったところ、全てのモードにおいて症状の確認ができました。
ここから不良個所の切り分けをするのですが、特定レンジでのみ発生することから作動表を確認してみました。

どうやら2速と3速のみに使用されている要素は無さそうです。
また、特定箇所のみの不具合なので、ATFを含めた共通要素の可能性も低く制御系の可能性が一番高い気がします。
プログラム関係になると良否判断が難しくなるので、自慢のネットワークを駆使して情報を集めてみました…
どうやらレガシィの5速ATには2速から3速の変速ショックを緩和するリプログラミング(対策ソフト)があるみたいです。
リプログラミングは私達専業工場での対応はできずに、ディーラーでの純正診断機にての作業になります。
ディーラーさんに予約を入れて、プログラムナンバーを読んでもらうために車両を持ち込みします。
結果としては対応リプロはないとのことでした (T_T)
ディーラーさんとチョットしたやり取りを行い、リプログラミングが無いのであればなんとかなるだろうと自社に戻りました。
とりあえず依頼事項のATFの交換を行います。
今回はお客様へ車にかかるストレスやダメージを考えたうえで、オイルパン内のATFのみの交換をお勧めしました。
その理由としては約14万kmという走行距離と、ATFの交換履歴が不明なことです。
もちろん、使用したATFは当社一押し 「ルブテック・SpecⅢ+X」 です。
ATFを交換後にテスト走行してみると、ドライバビリティは向上しショックも和らいだものの、依然としてショック自体は出ています。
この程度の出来で遠路遥々お越しいただいたお客様を誤魔化す訳にはいきません!
どう考えても制御系だと思い、Boschの診断機( KTS570 )を繋ぎます。

キャリブレーションの項目があったので、キャリブレーションを実行します。
キャリブレーション後にテスト走行を行うと…
見違えるようなドライバビリティです
! シフトショックも全くありません
!1速から5速までほぼショックを感じずにトルクフルでスムースなシフトチェンジです。
やはり制御系で間違いは無かったと一安心し、その仕上がり具合に自画自賛です (*^_^*)
お客様に納車時の整備説明をして、車を引き渡ししました。
後日電話を差し上げた際に車の出来具合に感謝されました。 この瞬間が整備士にとってはなにより嬉しい瞬間ですね!
※文中では割愛しましたが、データ解析などの検査は行っております。 また、この症状の全てが同じ原因とは限りません。
当社ではお客様のご要望やご予算に応じて一緒に作業内容を考えさせていただいております。
特に最近ではATFの交換に対するお問い合わせが非常に多くなってきております。
ご要望にできるだけ応じれるように、車の現状の提示や整備方法の提案、メリット・デメリットについて説明させていただきます。
車のことでお悩みのお客様は是非一度ご相談ください!
- 2016/07/08(金) 15:35:02|
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