いやぁ~、毎日寒いですね!
10月も終わりに近づくとこんなに寒かったでしたっけ? つい一月前は暑い、暑いと言ってた気が・・・
今年も残すところ二月ちょっと。 来月はタイヤ交換も始まります。
若くないので体調管理には気をつけねば!(笑)
売れに売れた(笑)30プリウスのブレーキの故障事例です。
30プリウスは回生ブレーキとECB (Electronically Controlled Brake System) が協調制御を行っています。
回生ブレーキは簡単に言うと制動時にモーターを発電機として利用し、これによりエネルギーを回収して燃費を良くしています。
ECBのブレーキシステムはこんな感じです。

ポンプモーターで加圧したブレーキフルードをアキュームレーターに蓄圧し、各バルブ(図中の緑)を状況に応じて切り替えます。
ECBは電子制動力配分制御付きABS、ブレーキアシスト、TRC、ヒルスタートアシストコントロール、S-VSCなどの全ての制御を一つのシステムで行います。
通常時のブレーキ(増圧)はこんな感じです。

SMC ・ SRC を閉じ、SLA ・ SCC を開きます。 加圧されたブレーキフルード(赤)が、各車輪に供給され制動します。
この時運転者がブレーキペダルを踏んでも、ハイドロブースターの油圧(青)は各車輪には供給されていません。
踏んだ感覚をストロークシミュレーターで感じさせてもらっているだけなんです!
まるで孫悟空のお釈迦様みたいなものです! (全ては掌の上・・・みたいな) 恐るべしECB(笑)
で、構造やシステムがだいたいわかったところで、本題の 今回のトラブル です!
症状としては、「 ブレーキの効きが悪く、ブレーキペダルが奥まで入る 」 とのお客様からのご依頼でした。
また、「 ブレーキ関係の警告灯が全て点灯している 」とのことでした。
警告灯が点灯しているということは、ECUにフォルトコードが記憶されているはずです。
早速診断機を繋いでみると、フォルトコードは「 C1214 油圧系異常 」でした。
フルードの漏れなどで油圧が上がらないことが原因みたいです。 これなら症状とも整合性があり納得です。
ただ、リザーバタンクのフルードは減っていませんし、外部にも漏れた形跡がありません・・・
と言うことは、内部リークの可能性が高いです!
実はトヨタさんはフォルトコードの他に「 詳細コード 」というものがあり、故障部位の切り分けができます。
ただし、汎用の診断機は詳細コードの見られないものが多いので、純正機の「 GTS 」を繋ぎます。

1番上に「 詳細コード 438 」とあるのがおわかりでしょうか? ( C1214 は詳細コードが 431~438 まで8個あります )
この時点でブレーキブースターASSYの不良がほぼ確定です。 恐るべし「 純正機 」(笑)
でも、これでブレーキブースターASSYを交換するのは早計です。 プロならチャンと検証しましょう!
・・・続く
スポンサーサイト
- 2016/10/25(火) 19:28:43|
- 自動車整備
-
| トラックバック:0
-
| コメント:6