2月も残りあと少しになってきましたね。
2月の中頃に連続して雪が降りかなりの積雪になりましたが、すっかり消えて北国の青森にも春の足音が聞こえ始めてきました!
整備ブログもネタはあっても忙しくてなかなか更新できずにいましたが、これからも頑張ってアップしていきます!
BMWミニ・クラブマン (R55) が時々エンジンがかからないとのことで入庫です。
お客様に問診させていただくと
8時間以上停止 (駐車) させておいてからの始動時にかからない時がある
コンビニに立ち寄ったりで短時間エンジンを止めた時などは症状が出たことはない
エンジンがかからないといっても初爆 (ブルン) はあって、アイドリングができずに短時間でストールする感じ
ということがわかりました。
症状が発生する条件に時間的な制約があるため、長期化する可能性をお客様に説明をして車をお預かりです。
まずはシステムチェックを行いますが、特にフォルトコードは記憶されていませんでした。
また、走行テストやデータモニタ、基本診断でも同様に特におかしいところは見受けられません。
1週間くらい朝晩とエンジンを始動して様子をみますが一向に症状が現れず、10日目くらいで初めて症状が出ました。
症状発生時のデータを見ると、高圧の燃圧が規定値 (目標値) に追従していません。

レールプレッシャー規定値が約5MPaなのに対し、実測値がやく0.8MPaしかありません。
お客様の言うようにクランキングからブルンとかかって直ぐにストールしてしまいました。
正常時はこのようにレールプレッシャー規定値に実測値が追従します。

レールプレッシャーは変化するのでセンサ不良は考えにくいのですが、念のためセンサの検査も行います。

ハイプレッシャーパイプを緩めて燃圧を下げていくと、センサも追従して反応するので大丈夫と判断しました。
フローコントロールバルブの駆動信号を検査すると、3.3ms (ON) /4.9ms (1周期) で約67%とデータと一致します。
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これらの診断・検査結果から低圧の燃料の吐出量が少ないかハイプレッシャーポンプの不良のどちらかだと思われます。
とりあえず低圧側から検査していくと、アイドリング時の規定値である0.5MPaで一見すると大丈夫そうです。
ただ、一晩放置すると燃圧を保持できなかったり、アイドリング時の燃圧計の針に細かい振れが出ています。
また、レーシングすると燃圧計の針の振れはかなり大きくなります。
今回の原因がこの低圧ポンプだとは言い切れませんが、良くないことは確かなのでお客様に相談です。
お客様からOKをいただき、早速低圧側フューエルポンプとフィルターを交換いたします。
交換後は燃圧計の針の振れが小さくなりました。
症状が改善していることに期待して様子を観察していきますが、3日目に症状再発です。
こうなると今までの診断・検査結果からハイプレッシャーポンプの不良しかありません。
しかしながらこのハイプレッシャーポンプは純正定価で19万円 (消費税別)と部品代がかなり高価です。
お客様と色々相談した結果、今回はお客様がネットで購入する商品と交換することになりました。
通常であればお断りするような案件ですが、今回だけは様々な事情で ・・・
お客様が購入された素性不明な商品が届いたので早速交換いたします。
が、全く症状が変わりません!
どこかに診断・検査ミスがあったのかとデータを見直しますが、新品部品の不良しか考えられません。
お客様に購入した新品が不良なこと、ショップにデータは全て出すことを説明して返品、取り直しをしていただきます。
再度届いた新品を組み付けると、エンジンが始動してストールもしません。 症状は改善しました。
再度データを取って走行テストを行い、問題がないことを確認して作業完です!
少しだけ自分の診断・検査に疑問を抱いてしまいました(笑)
最近はネットショップなどで安い部品が大量に出回っています。
全部が全部そうだとは思いませんが、このようなことは多々経験してきています。
「 安物買いの銭失い 」にならないように、値段重視だけではない商品の選択をしていただければと思います。
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- 2020/02/24(月) 11:54:02|
- 自動車整備
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