毎日毎日、暑い日が続きますね!
普段なかなか現場のメカニックをゆっくり休ませてあげれなかったので、今回は少し長い夏休みをいただいております。
私は相変わらず、長期の休み恒例の伝票整理をやっていますが(笑)
そんな長かった夏休みも残すところあと1日です。 終わってみればメチャメチャ早いですね!
17日 (月) からはまた通常営業に戻ります。
休み明けのご予約もそこそこ頂戴しておりますが、月曜日からまた頑張りますので今しばらくお待ちください。
BMW・320ⅰ (E92) がエンジン警告灯が点滅するとのことで入庫です。
お客様に問診させていただくと、朝一のエンジン始動時にエンジン警告灯が点滅しその後点灯に変わるらしいです。
また、その時はエンジンがブルブルと振れてエンジンの調子も悪いとのことでした。
その後は15分くらい経つと、何事もなかったかのようにエンジンの調子も良くなりエンジン警告灯も消灯するみたいです。
お客様が自走で弊社に入庫しましたがエンジンの調子も良く、一見すると全く問題無いように思えます。
なんかデジャヴュを感じませんか? そう、前々回のE90の記事と症状が似ていますよね。
前々回のE90は6気筒のN53B30Aエンジンでしたが、今回のE92は4気筒のN43B20Aエンジンになります。
気筒数は異なりますが、構造的にはほぼ一緒の直噴システムです。

エンジン警告灯が点いたとのことでしたので、システムチェックを行います。
フォルトコードは「 29CD : DMEミスファイア シリンダー1 」が記憶されていました。
問診の内容や症状から推測するに、今回の失火の原因は燃料系が濃厚です。
一通りの診断・検査を行ったので、あとは翌朝に検査をすることにして準備をしておきます。
翌朝一番にプラグを外して、排気ガステスターで燃焼室内のHC値を測定します。

1番シリンダーのHC値が5000ppmオーバーです! かなりの燃料成分が燃焼室内に存在しているようです。
また、エンジンを始動させると1番シリンダーだけ不正回転値が基準値から大きく外れています。

検査の結果、前回と同じくインジェクターからの後垂れが原因です。
インジェクターは部品代がかなり高価ですので、お客様に診断・検査結果と見積りを提示して相談をします。
相談の結果、お客様から了承をいただいたのでインジェクターを交換します。

こちらが1本5万円オーバーのインジェクターです! 何が悪いのかわかりにくいので新品と比べてみます。

先端の噴射部の汚れた様子がよくわかります。
4本すべてをセットで交換して一件落着 ・・・ とはいきません。
交換するインジェクターのデータをDME (エンジンコントロールユニット) に書き込みする必要があります。

交換前と同じ条件で取ったデータですが、インジェクター交換後は不正回転値も問題ない値に落ち着きました。
もちろんエンジン警告灯の点滅や点灯もありません。

フォルトコードを消去し、再度一晩おいて症状が改善したことを確認します。
症状は改善し、再度フォルトコードが記憶されることもありませんでした。 その他のデータもOKです。
走行テストも問題なかったので、これで作業完了です。
輸入車は部品代が特に高額になりがちです。
ですので、たまにお客様からネットで購入した部品を持ち込んで良いかのお問い合わせをいただきます。
弊社ではお断りはしませんが、お勧めもいたしません。 優良部品を見つけるのにはそれなりのスキルや情報が必要だからです。
料金は安いけど品質は・・・ といった部品も多々あります。
どうしてもと仰るのであれば持ち込み部品でも対応いたしますが、一切ノークレームとさせていただいております。
また、技術料は通常よりも割増しにさせていただきます。
なんで? と聞かれることもありますが、レストランなどを想像してみてください。
食材を持ち込みして料理してもらえるでしょうか?
椅子やテーブルなどの設備、調味料や箸などの消耗品の料金はどうしますか?
整備工場も同じです。 部品売り上げや設備の償却なども考慮した上での技術料の設定となっています。
弊社では純正ではない社外品も、厳選した上で優良品をお勧めさせていただいております。
お客様のご理解のほどよろしくお願いいたします。
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- 2020/08/15(土) 23:56:29|
- 自動車整備
-
| トラックバック:0
-
| コメント:4
ご無沙汰してます、チェックランプ点滅というと、触媒にダメージの失火が浮かびます、点火系の経験はありますが、インジェクターでしたか。冷間時だけで、本当に以前の記事に似てますね。データーモニターに回転不正というのがあるんですね、BMWミニにシリンダー平滑というのはみたことありますが、同じと考えていいんですか?後、インジェクター交換した場合、登録が必要なんですね、コモンレールみたいですね、
- 2020/08/17(月) 10:14:30 |
- URL |
- 佐藤オヤジ #c4qzEyZQ
- [ 編集 ]
佐藤オヤジ 様
コメントありがとうございます。
基本的にチェックランプ点滅は触媒ダメージ失火ですね。
直噴はインジェクターのつまりが多いです。
ある程度つまっているかどうかの判断もできるような手法が見つかったような気がします。
汎用診断機は言葉とその意味する内容が?な時もありますので、実験して確認するのが良いと思います。
パワーバランスだと1気筒殺すとすぐにわかりますよね。
コモンレールディーゼルと直噴ガソリンエンジンはシステム的に大差がないので、考え方や作業手順もほぼ一緒だと思います。
- 2020/08/17(月) 12:14:12 |
- URL |
- 須藤ヂャイアント商会 #-
- [ 編集 ]
お世話になってます。データーモニターの件ですが、BMWミニで、イグニッションコイル不良で、自己診断に4番失火の異常コードが記憶されてたときのデーターを保存してましたので、確認しましたところ、4番のシリンダー作動平滑が、プラス14〜1/Sになってました。他の気筒はマイナスでした。以前いたOO和尚の記事でも、紹介されてたような。あと、須藤社長の以前の記事で直噴の燃焼切り替えが診断機で見てたので、そんな見方があったのかと60系ボクシーをみてみましたが、項目なしでした。ちなみに、例のノートも直噴だったので見たところこちらは、燃焼状態のモードがありました。
- 2020/08/17(月) 20:12:13 |
- URL |
- 佐藤オヤジ #c4qzEyZQ
- [ 編集 ]
佐藤オヤジ 様
コメントありがとうございます。
ニッサンはかなり前から燃料状態と燃焼システムが「Mode」で表示されていたと思います。
この燃焼状態の「Mode」を診ることで燃焼状態の判断ができたと思います。
トヨタはフィードバックの状態を診た気がするのですが自信がありません(笑)
- 2020/08/17(月) 21:42:39 |
- URL |
- 須藤ヂャイアント商会 #-
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