朝晩の冷え込みが厳しくなり、すっかり秋の気配です。 気づくともう10月、今年も残すところあと僅かです。
月日の移ろいを早いと感じる年になってしまいました(笑)
エンジン警告灯が点灯する「 78プラド 」のその2です!
前回の記事でエンジンコントロールユニットに細工を施して、お客様の訴えていた症状が改善されたところまで書きました。
1時間半ほどの走行テストを行っても、作業前とは違いエンジン警告灯は点灯しません。
もちろん、停車中に黒煙が出ることもなくなりました。
直ったかと思いバイパスで思いっきり加速をした瞬間、エンジン警告灯が点灯しました。
自分の目を疑いアクセルから足を離すと3秒ほどで消灯します。 再び急加速をしてみると、またエンジン警告灯が点灯します。
今度はそのままアクセルを踏み続けていると、エンジン警告灯は点灯を維持しています。
どうやらエンジン回転数が2000~3000rpm、車速が60~80km/hの急加速時にエンジン警告灯が点灯するようです。
おとなしめに走ると大丈夫なのですが、一定の条件下でアクセル操作が激しいとダメみたいです。
早速コードを確認してみると、コード「 14 : 進角制御系統 」が記憶されています。
どうやら加速時の進角がうまくいっていないみたいです・・・
進角するのに必要と思われる入力信号を片っ端から検査していきます。

なんかエンジンコントロールユニットが凄いことになっていますね(笑)
スロットルポジションセンサはきれいに変化しています。 ただ、アイドル接点位置はダメだったので調整し直しました。


その他の関連しそうな信号も検査しますが、特に問題はなさそうです。
このエンジンはエンジンコントロールユニットからのタイマーコントロールバルブへの通電を制御し、噴射時期を変えています。
タイマーコントロールバルブへの制御信号と進角状態をオシロスコープで診てみると
タイマーコントロールバルブの制御信号は変化しているにもかかわらず、噴射時期は一向に変化しません。
上段のクランク角センサの信号に下段のレボリューションセンサの信号が集まってくる感じです。
制御信号は変化するのに、進角しないとはこれ如何に?
ひとつ忘れていましたが、タイマーコントロールバルブは直接カムプレートを動かすわけではなく、燃料通路を切り替えています。
フューエルフィルターのつまりによる進角不良も考えられるので、フューエルフィルターをバイパスさせてみます。
結果は・・・ 何ら変わることはありませんでした。
お客様のお話で、1ヶ月前にフューエルフィルターは交換済みだと伺っていたのであまり期待はしていなかったのですが。
悩みます、メチャメチャ悩みます! 何度入出力信号を診ても理屈に合いません。
そうこうしているうちに、急に最進角状態になってノッキング音が出てきました。
調べてみるとタイマーコントロールバルブが断線しています。
お客様のお話では他社で手をかけていた数シーズン中、昨年に噴射ポンプはリビルト品で交換済みとのことでした。
通常、噴射ポンプをオーバーホールするときにはタイマーコントロールは新品に交換されていると思います。
たかだか1年でタイマーコントロールバルブがダメになるの? 疑問は残りますが、お客様に経緯を説明します。
タイマーコントロールバルブの作動不良が原因で進角不良になっている可能性も充分考えられます。
お客様から交換の了承をいただき、症状改善を期待しながらタイマーコントロールバルブを交換します。
・・・交換しても結果は同じでした。
最進角状態からは復帰したものの、相変わらず制御信号が変化しても噴射時期は変化しません。
まだまだ眠れない夜は終わりそうにありません・・・
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- 2020/10/01(木) 09:19:02|
- 自動車整備
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| コメント:2
須藤社長が悩むなんて珍しい、私は、まったくわかりません。ただノッキングというと、ガソリン車、カルディナでデスビが原因で抵抗測定で発見したのを思い出しました。ガソリン車もちょろくでありませんがディーゼルはまったくわかりません
- 2020/10/01(木) 21:24:24 |
- URL |
- 佐藤オヤジ #c4qzEyZQ
- [ 編集 ]
佐藤オヤジ 様
コメントありがとうございます。
今回はかなり手こずりました(笑)
最初の症状が直ってからの症状の変化と、他社(ディーラー含む)で何年も手をかけていたのもネックでした。
今回は電子制御式噴射ポンプをかなり勉強させてもらいました!
- 2020/10/02(金) 14:01:54 |
- URL |
- 須藤ヂャイアント商会 #noW3zowU
- [ 編集 ]