西日本では豪雨災害の被害にあった方々が大勢いらっしゃいます。
一日も早く平和な日常が戻ってくることを心よりお祈りいたします。
青森も短い夏がやってきて、連日暑い日が続いております。 私も暑さに負けることなく日々精進してまいります!
ダイハツ・ハイゼット (S210P) 時々エンジンが吹けなくなるとのことで入庫です。
まずは走行テストに出かけます・・・ がっ、一向に症状らしきものを確認できません。
何度もトライしてみても症状がでません。
これではどうしようもないので、攻め方を変えてシステムの中で不具合の可能性のあるところを検査していきます。
問題のないところを消していく消去法に切り替えです。
ただ、困ったことにこのハイゼットはいわくつきのEF‐SEエンジンなんですよね・・・
EF‐SEエンジンについての詳細は割愛しますが、ちょっと変わったスロットルと吸入空気の計測方法になっています。
診断機のデーターモニターにて各部の信号を点検していきますが、特におかしいところがありません。
まぁ、症状がでないことから考えても想定の範囲内です(笑)
まずはインジェクターの波形を点検します。

インジェクターピークもキレイにでてるし、各シリンダーでズレもありません。
次にスロットルポジションセンサの点検です。

こちらもノイズも無く、断線や短絡も見受けられません。
次に燃圧の点検です。
燃圧系をセットしてテスト走行をすると、燃圧自体は0.32MPaと問題ないのですがなんか違和感が!
時々小刻みに振れることがあります。
ただし、今まで経験した0.01MPaくらいの振れよりもかなり小さく、よく見ないとわからないくらいです。
この車のフューエルシステムはリターンレスなので、プレッシャーレギュレーターが怪しいと判断してタンクを降ろします。
外したフューエルポンプ内のプレッシャーレギュレーターがこちら↓

見事に錆びています(笑) フューエルタンク内もかなり錆です。

新しい(中古)フューエルタンクと比べてみるとハッキリわかります!

これらのことから、フューエルタンク内も錆(汚れ)が燃料の供給をイタズラして吹けなくなっていると判断しました。
フューエルタンク(中古)、フューエルポンプASSYを交換し、フューエルラインを清掃して作業完了となりました!
整備士からすると症状のでないトラブルはホントに厄介です。 システムや理屈をよく理解しないとダメですね。
「 全ての物事には理由がある! 」
こんなとこにも「 メカトロクラブみちのく 」で教わったことが役に立ちます。
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- 2018/07/18(水) 23:02:54|
- 自動車整備
-
| トラックバック:0
-
| コメント:7
コメントいただきましてありがとうございます。
お互いにサーキットの○世代からすると、響きだけでビビりますね(笑)
- 2018/08/29(水) 13:33:08 |
- URL |
- 須藤ヂャイアント商会 #-
- [ 編集 ]
お世話になってます、3年前、わたしも同じくタンクサビが原因で始動不能ありました。新品タンク、燃料ライン清掃しましたが、1年くらい経っと、また、フィルターがつまり始動不能、それが2回ほどあり、現在は、エンジンルームに別のフィルター増設、しフィルター詰まりは無くなりました。ただ、別の故障も多く、OCV不良でふけない、ECU不良で始動不能、最近はリレーボックスの接点圧不良で始動不能がありました。この燃料ポンプ下のサクションフィルター、目がこまいんではと。尚、燃料ポンプは、新品タンク交換する直前にGS勤務の息子さんが交換したとの事、でも、タンクがあんな状態では?
- 2019/06/11(火) 11:21:31 |
- URL |
- 佐藤オヤジ #c4qzEyZQ
- [ 編集 ]
佐藤オヤジ 様
コメントありがとうございます。
ハイゼットのタンクはトラブルが多いですね!
燃料もそんなに粗悪だとは思わないのですが、良く錆びます(笑)
フィルター追加は良いアイディアですね。
今度使わせていただきます。
- 2019/06/12(水) 15:58:32 |
- URL |
- 須藤ヂャイアント商会 #-
- [ 編集 ]
ご無沙汰してます。浅田先生の記事の件、まさに須藤社長のこの記事でした。エンジン不調で入庫、アイドル時のブレ、3番コイル不良、プラグは交換済み、試運転しかなり走り込んだあと吹けない、普段は燃料系を考え燃圧測定しますが今回の症状から、先生のアドバイスがなかったら、後手に。まわりました。アクセルを踏み込むと全く吹けない、でも、エンストもせずアクセル全開でも、カタカタいいながら、回っている。アクセルはなすとアイドルしているのです。でも、よくよく考えればヒントはありました。直線では、ほとんど症状が出ず、かなり走り込んで工場に戻り、また、試運転に行く時、道路に出たとき出やすい、また、工場内で段差をのりあげた時吹けなくなる、そして、一瞬エンジンチェックランプ点滅、これらの症状確認する前に先生には、ポンプあかん時に似ている、ポンプの音はどうか、燃圧は?で、燃圧測定
、症状出ない時、3Kpa、でも、アクセル全開で一瞬落ち込む、フィルターが詰まった時に似ている、タンクおろしてみると全く須藤社長と同じでした。吹けない時でも、噴射時間が10msもあり方向性まちがえました。また、オーツセンサーの件ですが0.2ボルトリーンでCO値も少ないのでオーツセンサーが原因では、なかったです。燃圧ですが吹けない時1KPa、アクセル戻すと徐々に上がってきました。
- 2020/09/07(月) 05:20:56 |
- URL |
- 佐藤オヤジ #c4qzEyZQ
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佐藤オヤジ 様
コメントありがとうございます。
故障診断は一見無駄に思えても、決まった形の基本診断をするのが間違いが少ないと思います。
慣れてくるとどうしても先入観にとらわれがちですが、基本診断をしてからどこを掘り下げて検査していくかである程度ミスは防げるかと思います。
そんな私も今はドツボにはまっていますが(笑)
- 2020/09/09(水) 14:21:56 |
- URL |
- 須藤ヂャイアント商会 #noW3zowU
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佐藤オヤジ 様
コメントありがとうございます。
浅田さんも仰っていましたが、「理に適う」ことは重要だと思います。
テスターの数値を鵜呑みにするのではなく、それが「理に適う」のかどうかを考察する。
うちのスタッフにもよく言いますが、故障診断は
症状確認(問診を含んだ情報収集)→ 基本診断(状況確認)→ 推測 → 検証 の流れだと思います。
「推測」や「検証」で「理に適う」かどうかを確認していくと、テスター頼りにならなくて済むかと思います。
- 2020/09/09(水) 14:26:46 |
- URL |
- 須藤ヂャイアント商会 #noW3zowU
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